年間第17主日(B)

なお残ったパンの屑で、十二の籠がいっぱいになった(ヨハネ6・13より)

 パンと魚を増やす奇跡と呼ばれる今日の箇所。でも、実は奇跡を報告するというより、私たちがどうすべきかを教えている。
 たくさんの人たちがお腹を空かせて、パンがない状態をどうしたらいいか?弟子たちは、200デナリオン(5000人で割ると、当時の貧しい人たちの食事代)出してとか、他の村に行かせてとか、常識的な考え方にとらわれているが、一人の子どもがパン5つと魚2匹を差し出す。おやつ程度のわずかなものだが、5と2を足すと完全数の7になる。つまり、その子どもは、イエスを信じてイエスに従う「小さき者」で、問題を政治などによって解決するのでなく、すべてをイエスに捧げる。イエスは受け取り天に目を上げ、すべてが神のものと認めて感謝する。イエスの手を通して、わずかなものがみんなの空腹を満たすばかりか、食べきれないほどになる。

 人口の1%にもならない日本のキリスト教信者もそのような「小さき者」である。

 (画像は、マリアーノ・ヴィッラルタ「パンの増やし」、コッレヴァレンツァ聖堂)