*「いつくしみ」のラテン語原語はmisericordiaです。ラテン語のmisericordiaに相当する語は新共同訳聖書ではおおむね「憐れみ」と訳されています。「いつくしむ」と「憐れむ」のいずれも、「愛する」ことを意味しますが、「憐れむ」には「ふびんに思う」「同情する」「気の毒に思う」という意味もあります(『広辞苑』参照)。大塚京都教区司教の書簡、菊池新潟教区司教のブログも参照ください。
*聖年とは、旧約聖書に記されているイスラエル民族の「ヨベルの年」に由来します。レビ記25章によると、50年に一度、畑を休ませ、負債を免除し、奴隷を解放する年があったのです。ヨベルとはもともと雄羊を意味し、そこから雄羊の角から作られる角笛を意味することになりました。その年の始まりに角笛が吹き鳴らされたところから、その年はヨベルの年と呼ばれることになりました。
*聖年がはじめて行われたのは1300年。ローマへの巡礼によって特別な赦しが与えられることが決められました。聖年はそれ以後も行われ、50年、33年、25年といった節目ごとに行われてきました(詳しくはこちらを参照)。また、そのように定期的に実施される聖年以外の聖年もあります。それは特別聖年と呼ばれ、特別な意向によって行われます。今回の聖年は、第二バチカン公会議閉幕50年を機とする特別聖年です。
*聖年は私たちが神の赦しをいただく年です。しかし、今回の聖年の特徴は、私たちが神の赦しを証しすることが教皇フランシスコの意向である点です(大塚京都司教2015年主の降誕司教メッセージ参照)。そのことは、今回の聖年のモットーが「いつくしみ深く御父のようにmisericordes sicut pater」(ルカ6・36、「あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい」新共同訳)であることにも表現されています。聖年のための祈りにも「教会がこの世において、復活し栄光に満ちておられる主のみ顔となりますように」「これら仕える者[=キリスト信者]に出会うすべての人が、神から必要とされ、愛され、ゆるされていると感じることができますように」とあります。

上のロゴは、イエズス会司祭マルコ・イヴァン・ルプニックによるものです。彼は現在ローマにあるアレッティ・センターの所長をしています。アレッティ・センターのサイトには、センターで制作された、たくさんの美しいモザイク画の画像が掲載されています。こちらをご覧ください。
動画
公式讃歌
特別聖年、開幕
「聖なる扉」、開かれる
いつくしみの宣教者、派遣
巡礼
催し
関連リンク
カトリック教会
公式讃歌訳詞、ロゴ、祈り、教皇大勅書、教皇行事など。
一般メディア
毎日新聞ニュース 厳戒 「特別聖年」開幕
All About 旅行 数十年に一度のイベント「聖年」にローマへ行こう
関連書籍(日本語)
特別聖年のための書籍(外国語)
(画像リンク先はamazon)
バチカン新福音化推進評議会より、特別聖年のために8冊の書籍が刊行されています。原語はイタリア語ですが、各国語に訳されています。日本語訳は(まだ?)ありませんが、以下に英語訳を挙げます。

Confession: The Sacrament of Mercy Pastoral Resources for Living the Jubilee (Jubilee Year of Mercy)

The Corporal and Spiritual Works of Mercy: Pastoral Resources for Living the Jubilee (Jubilee Year of Mercy)

Mercy in the Fathers of the Church: Pastoral Resources for Living the Jubilee (Jubilee Year of Mercy)

Mercy in the Teachings of the Popes: Pastoral Resources for Living the Jubilee (Jubilee Year of Mercy)
カスパー枢機卿『あわれみ―福音の根本概念にしてキリスト教的生活の鍵』

Walter Kardinal Kasper,
Barmherzigkeit.
Grundbegriff des Evangeliums - Schlüssel christlichen Lebens,
Herder 2013
教皇フランシスコが2013年3月17日のお告げの祈りで推薦しました。