聖フランシスコ・ザビエル

エラスムス・クェリヌス2世「聖フランシスコ・ザビエルのヴィジョン」1656年、インディアナポリス美術館
エラスムス・クェリヌス2世「聖フランシスコ・ザビエルのヴィジョン」1656年、インディアナポリス美術館

 日本にはじめてキリスト教を伝えた宣教師として日本でも有名な聖フランシスコ・ザビエル。日本の守護聖人でもあります。12月3日は彼の記念日。今年は日曜日になったため、イエズス会の教会では翌日4日に記念されるようです。

 パリ大学在学時の若いザビエルは司祭になろうとしていたものの、純粋な動機からではなく教会内での高い地位を目指していました。ところが、イグナシオ・ド・ロヨラと出会い、他の仲間たちとともに誓願を立てます。聖地エルサレムに巡礼するという誓願でしたが、教皇の命を受けインドのゴア(当時ポルトガル領)に赴くことになります。教皇使節として派遣されながらも、司教館ではなく病院に住み込み、周辺の住民の司牧にいそしむザビエル。一人の日本人と知り合って日本に行く決心を固めます。1949年、鹿児島に到着、宣教を始め、教義の日本語訳にもかかります。しかし、天皇に会うことは叶わず、まずは中国皇帝を改宗させようと一旦ゴアに戻ったあと中国本土に渡ろうとしている時に天に召されました。

 ザビエルが日本から送った手紙(抄訳はこちら)に刺激を受け、多くの宣教師が来日しました。しかし、禁教令が発せられ、キリシタンは大弾圧を受けます。明治の開国、そして大戦後も多くの宣教師が訪れましたが、日本では信者は少なく、その少ない信者も今では高齢化しています。宣教師にとってチャレンジであると言われる日本。そんな国で信者である私たちはまず信仰に導かれたことを喜びたいです。今日はザビエルだけではなく、これまでに来日した宣教師たちを思い、信仰の賜物に感謝してもいいかもしれません。そして、私たちも宣教の勇気を聖人の模範から得たいです。

 「聖フランシスコ・ザビエルの姿を観想すると、福音宣教に生涯をささげて救い主イエスの福音の素晴らしさを伝える人びとのために祈る呼びかけを感じます」(ベネディクト十六世の45回目の一般謁見演説)。