四旬節の断食

 四旬節で行うべき断食。いくつかの話題を紹介しましょう。
 イタリアの『イル・ミオ・パパ』誌によると、教皇フランシスコが暮らしている宿泊施設カーサ・サンタ・マルタは四旬節にはメニューを変えるのだそう。教会法(1249ー1253節)からすると、60歳以上のパパ様も高位聖職者も灰の水曜日と聖金曜日の大斎小斎が免除されるのに、テーブルには肉もデザートも並ばず、パスタとサラダに、希望者のためのチーズ少しだけ。四旬節の金曜日は魚料理(サバの蒸し焼きや魚介類のリゾット)、ジャガイモや野菜やチーズ入りのオムレツ。それ以外の曜日もデザートなしで、ショートパスタ、魚介類やチキンと野菜の料理。肉を使わないピザもイースターまでお預けとのこと。晩はもっと簡単にスープや野菜、スライスチーズのセルフサービス。パパ様さえビュッフェの行列に並ぶそうです。サイトでは、ポモドーロソースのフジッリ、子牛のレモン・スカロピーネ、小サバの蒸し焼きのレシピが紹介されています。こちらをごらん下さい。
 以上、イタリアのサイトから紹介しましたが、私たち日本人にとってはやはりリッチなメニューと言えます。
 次の話題は、『リーダーズ・ダイジェスト』誌より、マクドナルドのフィレオフィッシュの誕生エピソード。1962年、アメリカ・オハイオ州シンシナティ店の店長ルー・グルーンは、カトリックの顧客が金曜日に店に来ないことに気づき、マクドナルド創業者レイ・クロックに魚のバーガーを提案しました。しかし、クロックは魚のバーガーは売れないと考えたので、クロックが考えたフラバーガー(パイナップルとチーズを使用)と、グルーンのフィレオフィッシュのうち売れた方がメニューに入ることになりました。結果はフィレオフィッシュの勝ち。それ以降フィレオフィッシュは通年マクドナルドのメニューに入っていますが、その売り上げの4分の1は四旬節だそうです。

 最後にドイツから。『アインファッハ・レーベン』誌は現在、断食についてのウェブアンケートを行っています。質問文は以下の6つです。

 

質問1.四旬節はあなたにとって霊的な反省と内面的な観想の時ですか?(はい いいえ 答えたくない)

質問2.この四旬節では習慣になっているものを止めようと考えていますか?(はい いいえ 答えられない)

質問3.断食というと、何を断ちますか?

(肉 スイーツ アルコール テレビ スマホやパソコン 車 その他)

質問4.四旬節には普段よりも周りの人たちを助けるように心がけていますか?(はい いいえ 答えられない)

質問5.断食は体の健康にプラスになると考えますか?(はい いいえ 答えられない)

質問6.習慣を止められる人は、よりよい人生を送ると考えますか?(はい いいえ 答えられない)

 

 質問1と4のように、断食だけでなく、祈りや施し(よいわざ)にかかわる質問も含まれています。断食と健康の関係を問う質問があり、また節制の対象として飲食物だけではなく、スマホや車も入っているので、周りの人や環境への関わり方を問うものになっています。今年の四旬節教皇メッセージが「被造物の贖い」を強調していることも思い出されます。

 皆さんなら、アンケートにどう答えるでしょうか。アンケートのページはこちらです。ウェブ翻訳を使ったりして回答してもいいかもしれません。

 よい四旬節を過ごすことができますように。